ロイシンリッチリピート(以下、LRR)と呼ばれるドメインをもつ細胞表面の受容体(以下、LRR型受容体)について研究しています。LRR型受容体は1回膜貫通型で細胞外にLRRをもちます。また、植物の場合、細胞内にキナーゼドメイン、動物の場合、細胞内にインターロイキン1受容体の細胞内ドメイン類似のドメインをもちます。このLRRドメインがリガンドとの結合に関与しています。植物では、1990年代前半からLRR型受容体が同定されはじめ、自然免疫および植物の発生・分化などに関与していることがわかってきました。一方、動物でも、1990年代後半に、LRR型受容体(ショウジョウバエのToll、哺乳類のTollホモログTLR)が自然免疫に関わることが明らかになりました。盛んに研究されているLRR型受容体ですが、そのリガンド結合部位であるLRRドメインを大腸菌で大量に発現させることに成功したという報告は未だかつてありません。最近、私たちはLRRドメインを大腸菌で大量に、且つ、活性がある形で発現させることに成功しました。この成功により、LRRドメインが生化学的研究の対象になりました。この新たに開発した発現技術を活用して、植物及び動物のLRR型受容体に関してこれまで未解明であった問題について明らかにしようとしています。


佐賀大学に移ったのを機会に、過去の研究テーマを捨てて、新しい研究テーマを一から立ち上げなおしたしたのですが、何とか軌道に乗りかけたところです。