第7回 生命工学フォーラム

下記の通り、生命工学フォーラムを開催しました。

日時: 5月20日(金) 17時15分〜
場所: 農学部地域支援室(農学部中棟三階)
演題: 共役リノール酸(CLA)の栄養生理機能
 ── 抗肥満作用を中心に ──
講師: 佐賀大学農学部応用生物科学科・食品栄養化学分野
 王 玉明 博士 (Dr. Yu-Ming Wang)

講演要旨:
 近年、食生活や生活スタイルが大きく変化し、生活習慣病の増加が問題となっている。その一因に脂質代謝の異常がある。我々は食事油脂の質に注目し、脂質代謝改善作用を持つ機能性脂質の研究を続けてきた。その一つが共役リノール酸(CLA)である。CLAとは、共役二重結合(-C=C-C=C-)を持ち、必須脂肪酸であるリノール酸の位置及び幾何異性体であるものの総称である。我々は、CLAが体脂肪低下作用を持つことを報告し、抗肥満作用の機序について肥満モデル動物を用いて検討してきた。まず、2種類のCLA異性体を比較し、10trans, 12cis-CLA異性体のみ抗肥満作用を持つことを明らかにした。肝臓脂質代謝系への影響を検討した結果、10trans, 12cis-CLAが肝臓脂肪酸合成酵素の活性及び遺伝子発現を抑制し、脂肪酸のβ酸化系を亢進させることを認めた。脂肪組織においても同様な結果を得た。これらのことは、10trans, 12cis-CLAが体内の脂肪酸合成を抑制し脂肪酸の分解を促進することを示唆している。次に、呼気ガス測定装置を用いて動物全体のエネルギー産生を測定し、10trans, 12cis-CLAが体内のエネルギー代謝を増進させることを認めた。さらに、CLAは近年盛んに研究されている脂肪組織から分泌されるアディポサイトカインの発現に影響することを示した。現在、CLA摂取による脂肪組織の遺伝子発現の変動をSAGE法で、タンパク質発現の変動を二次元電気泳動法で網羅的に解析し、CLAの新規生理機能の検索を行っている。

担当者: 総合分析実験センター 永野幸生

「生命工学フォーラム」とは?
 教育研究支援施設である総合分析実験センターでは、分子生物学・細胞生物学・細胞工学などに関連したセミナーの開催を支援することにしました。会場の手配、全学の関係者への開催案内の配布、その他を行います。この活動による集会所のことを「生命工学フォーラム」と名付けることにしました。