第4回 生命工学フォーラム

(第15回 総合分析実験センター講演会)

下記の通り、生命工学フォーラムを開催しました。

日時: 12月14日(火) 4時〜
場所: 農学部地域支援室(農学部中棟三階)
演題: 不等分裂制御からボディープランの理解へ 〜陸上植物の発生と進化をつなぐヒメツリガネゴケ〜
講師: 藤田知道(基生研・生物進化)


講演要旨:
 コケ植物、シダ植物、裸子植物、被子植物からなる陸上植物は、多様な形態を示すものの、緑色藻類のシャジクモ藻類を姉妹群とした単系統群であると考えられている。これまでに被子植物シロイヌナズナを中心に発生様式が分子レベルで明らかになってきているが、被子植物以外の発生様式の分子機構はほとんどわかっていない。陸上植物において発生様式の分子的な基盤がどの程度共通なのであろうか、あるいはかなり違うのであろうか。
 コケ植物は、陸上植物の中で最も古くに分岐したグループであり、陸上化初期の性質をより多く残していると思われる。コケ植物の発生の分子基盤を明らかにし被子植物と比較することで、陸上植物進化の過程で発生システムのどの点がどの様に変化してきたのかが理解できるであろう。また、コケ植物は形態が単純であるため、陸上植物発生研究のより単純な系としての利用価値も高い。
 コケ植物のヒメツリガネゴケは、1997年に酵母と同程度の高頻度な相同組換えが可能であると報告されて以来、遺伝子ターゲティングが最も容易な陸上植物として注目を集めている。これまでに完全長cDNA、EST解析 (Nishiyama et al. 2003)、タグラインの作成(Hiwatashi et al. 2001)、ゲノムプロジェクトの開始と分子レベルでの研究環境は整ってきている。
 本セミナーでは、ヒメツリガネゴケを用いた発生進化研究の例として、幹細胞と非幹細胞を作り出す不等分裂の分子機構解明の試みについて、および、コケ植物と被子植物における茎葉を作る分子機構(オーキシン、ホメオボックス遺伝子)の比較解析の結果を中心に話題提供したい。

担当者: 総合分析実験センター 永野 幸生

「生命工学フォーラム」とは?
 教育研究支援施設である総合分析実験センターでは、分子生物学・細胞生物学・細胞工学などに関連したセミナーの開催を支援することにしました。会場の手配、全学の関係者への開催案内の配布、その他を行います。この活動による集会所のことを「生命工学フォーラム」と名付けることにしました。