第1回 生命工学フォーラム

下記の通り生命工学フォーラムを開催いたしました。

日時: 2004年8月3日(火)15時〜16時30分
場所: 農学部4番教室
演題: 腫瘍関連蛋白質群のプロテオミクスによる機能解析
講師: 荒木令江 (熊本大学大学院医学薬学研究部腫瘍医学分野)

講演要旨:
 ゲノム情報を背景にした生命科学研究の中で、生体機能の立役者として働くタンパク質に注目し、その大規模解析によって生命の仕組みを解明することを目標とした研究がプロテオミクスです。その戦略は、すでに酵母や下等生物等を用いた基礎生物学の分野で多くの新しい発見をもたらしていますが、ヒト疾患解明を目的にしたプロテオミクスは未だ発展途上で、その応用例の報告は非常に少ないのが現状です。ヒトゲノム配列決定完了によって判明した約3万5000個の遺伝子のうち、約500個の遺伝子が疾患に確実に関連するものとして報告されました。これらの遺伝子の作る正常蛋白質群は、細胞生存、細胞死や細胞周期、細胞分化や器官形成などの重要な生理的シグナルの調節に必要不可欠な役割を果たしていて、これらの関わる細胞内シグナルのマップは書ききれないほど複雑化しています。このような生理的な細胞現象を、一つ一つの分子を別個に調べて各分子の側から説明するのではなく、全ての細胞内発現蛋白質を、網羅的に時間軸を追って解析し、如何にトータルとしての機能制御が行われて生物活 動が成り立っていくのかを調べていくこと、そして、如何なる細胞内蛋白質群の、どの様な変化がおきて正常の細胞活動が破綻し、病態をprogressさせて行くのかという網羅的な情報を得ること、即ちこれらを全て含むのが病態プロテオミクスなのです。本セミナーでは、現在我々が検討しているp53遺伝子ノックアウトマウスを用いた虚血性脳神経細胞死に関連する組織細胞蛋白質群の、3つどもえdifferential display 法を用いた解析、及び神経系腫瘍関連分子とその結合分子群の解析による腫瘍化に関連する細胞内シグナルの芋づる式解析などを中心にお話しさせていただきたいと思います。


担当者:農学部 渡邉 啓一(副センター長)

「生命工学フォーラム」とは?
 教育研究支援施設である総合分析実験センターでは、分子生物学・細胞生物学・細胞工学などに関連したセミナーの開催を支援することにしました。会場の手配、全学の関係者への開催案内の配布、その他を行います。この活動による集会所のことを「生命工学フォーラム」と名付けることにしました。

すみません。ピンぼけでした。