総合分析実験センター講演会の開催について

下記により講演会を開催いたします。学生、教職員の方々の多くのご参加をお待ちしております。

日時: 2007年9月25日16:00〜

場所:理工学部8号館5階507号室(国際環境科学セミナー室)

演者: 渡辺正夫 先生
(東北大学大学院生命科学研究科 植物生殖遺伝分野 教授)
渡辺先生の研究室に関する詳しい情報はhttp://www.ige.tohoku.ac.jp/prg/watanabe/index.htmlをご覧下さい。

演題: 高等植物の受粉・受精とアブラナ科植物における自家不和合性

要旨: 植物は動けないので、花粉は風や昆虫が運ぶ必要がある。多くの被子植物では、雌雄同花であり、受動的受粉では自己(自家)の花粉で受粉・受精する確率が高く、種内の遺伝的多様性が減少する危険性がある。このような自殖をさけ、他殖を促進するために、被子植物は様々な生殖システムを構築している。
 その1つが自家不和合性であり、雌雄両生殖器官が機能的・形態的に完全であり、異株間の交配では受精が成立するのに対して、同株内の交配(自家受粉)では受精できない現象をいう。不稔性と大きく異なる点は、両生殖器官が正常であると言うことにある。この現象は、ダーウィンが植物の持つ不思議な能力として著書にその調査結果を公表したことから、有名になった。自家受粉したときに受精が起きない原因としては、花粉の不発芽、花粉管の雌ずいへの不侵入、花柱内での花粉管の伸長抑制などである。自家不和合性は、雌ずいにおいて、自家花粉(自己)と他家花粉(非自己)の認識・識別ともいえる。
 このセミナーでは、高等植物の受粉・受精の概要と、アブラナ科植物の自家不和合性研究を元に、自家不和合性制御遺伝子の実体をどの様に明らかにしたかを概説したい。

問い合わせ先
総合分析実験センター
永野幸生
内線8898
nagano@cc.saga-u.ac.jp